鹿皮なめし バックスキン
一年ぶりです。
今年は、三枚の鹿皮をいただき、毛を取ったなめしに挑戦しました。

最初に、去年なめした毛皮同様、裏側の肉や脂肪を落とし、アルカリ溶液に漬け込みます。
その後、写真上の様に毛とグレインと呼ばれる真皮の層を削ぎ落します。
グレインの層が牛革などでは吟面になるようですが、この鞣しの場合はバックスキンと呼ばれる鹿革独特の肌触りの良い革に仕上がるようです。
削ぎ落したら、アルカリ性になった革を中性に戻すため、酸性の溶液に漬け込みます。

次の工程の為、皮をしぼり水分を取り除きます。
そして、ドレスと言われる乳化油に漬けて繊維をコートする工程です。
乳化油は、鹿の脳みそや、ニワトリの卵、石鹸とニートフットオイルを混ぜたものが使われるようですが、今回は、卵と石鹸とオイルを混ぜたもの2種類を試しました。
漬け終わったら、水分をできる限り絞り出し、穴を補修して揉み込みの段階です。


写真上左のようなものや、ワイヤーで擦ります。
湿った状態から乾いていく段階で、グルーと呼ばれるものが立ち上がるみたいで、何もしないと硬くなってしまうようです。そのため、何時間か揉み込みを続けます。
乾いてくると徐々に鞣した鹿革になってきましたが、やはり初めてなので、柔らかくならない部分やグレインの削ぎ残しなどあり、次回の課題になりました。
最後の仕上げにスモークします。


写真上のものは小鹿だったので、革厚は薄いですが、柔らかく肌触りがとても良いです。

こちらはだいぶ大きい革でしたが、うまく鞣せず柔らかくならない部分がたくさん出てしまいました。
この革を使って何か作品を作りたいので、完成したら報告いたします。